2022年12月4日日曜日

「睡眠専門医がまじめに考える睡眠薬の本」(河合真(著)、立花直子(編集協力))面白かったです〜、役立ちました〜


いま自分がいる大きな変化について書こうと思っていたのですが、読み終えた本が面白かったので、先にこちらを。


「睡眠専門医がまじめに考える睡眠薬の本」(河合真(著)、立花直子(編集協力))


わたしは睡眠にまつわる悩みは深くなく、「睡眠薬」と分類される薬ほぼ飲んだことがないので、自分ごととは思わなかったのですが、本が薄かったこともあって開いてみたらとても面白くて。三夜連続で集中して読み、読了しました。


「睡眠薬」


双極性障害になった当初から睡眠障害はありましたが、他の悩みが深すぎたというのか、とりたててそれを症状として捉えることも、治療のターゲットにしたいと願い出ることも、思いつきませんでした。


その後、悪化の一途を辿り、転院し、休職し、症状が安定してきた頃に、睡眠リズムが崩れてしまい、辛く、それなりに深刻に悩み、医師に相談したところ、、


「眠れなかったら起きて好きなことをやっていればいいです。リズムはそのうち勝手に戻りますよ」


あまりに気楽な指導(?)に、なんだか気が抜けて、その夜から、布団に入ったけど眠れないのですぐ諦め、起きて深夜ドラマ見る、とかの暮らしを始めたら、、その時間がけっこう楽しく、、あっけなく、普通のリズムに戻りました。


もういちど悩んだのは、後年、再発して、入院したおり、やはり症状が安定してきたころのこと。


夜勤の看護師さんに訴えたところ、宿直の(誰だか知らない)医師はすぐに睡眠薬を処方してくれたのですが、、、大いに期待して飲んだのに、余計に眠れなくなりました。


翌日、主治医に泣きついたら、


「ずっと眠れないってことはないですから、大丈夫」


てな思いがけない対応で、やはり睡眠薬は出してもらえず。。

その代わり、入院生活の工夫を、数点、提案されました。


例えば、

「病棟の消灯時刻は大人には早すぎるので、過ぎても読書したりしていていい」

「昼間眠くなっても眠らずに。眠くなったらデイエリアに出て患者仲間と交流する」


不信のままに引き下がったのですが、言われた通りにしてみたところ、(それだけが効いたのではないでしょうが)あっさりと眠れるようになりました。


でも、入院中に姿をみたたくさんの患者さんの、かなり数の人が、睡眠薬を服用していました。自分はたまたま、なんていうか、、大ごとにならなかったけど、大変だな〜、と思っていました。(知り合いに睡眠薬を飲んでいる人は多くいるし、いまもそう思っています)


というような背景があっての、この本でした。


精神科や心療内科の医師には、睡眠薬を処方するうえで、不眠や薬、それを取り巻く事情、について、「まじめに考え」てきている人が多いのかなと想像しますが、本はそのあたりを、詳細かつすっきりと、説明するものでした。


自分としては「睡眠薬」として飲んでいた覚えはないものの、はじめにかかっていた(そして悪化を招いた)医師に処方されていた、睡眠効果の高い抗不安薬についても、いまさらながら、どういう位置にある薬で、それが(おそらく)どういう根拠で処方され、でも現実としては(体験がそうであった通り)「良くないもの」だったか、理解と納得を深めました。


読み終えて、面白かったり過去の体験の理解を深めただけではない、今後の参考にもなると思ったけれど、それは、精神科病棟での入院生活をモチーフにした(睡眠障害や睡眠薬の描写のある)小説の執筆において、という思いが大きかったのですが、、、なんと。昨日早朝に目覚めたまま、眠気がなく、、、これは「早朝覚醒」かと!


こうしたときのいつもやる、神田橋條治医師の「養生」のやりかたである、「五本指いい子」やら、あちこちの骨の緩め(いずれも、分類するなら、「気功」なのかな)やら、やってみたけれど、珍しく効果なく、、、ふと、この本で読んだばかりの(認知行動療法としての)工夫を思い出し、、、「覚醒」が強いのか「睡眠」が弱いのか考え、なにが「覚醒」を強めているか振り返り、「頭にあり続けている言葉」だと気がつき、、、それを変えてみました。


うまくいくとは思わなかったのですが、、、、気づいたら九時!!

よー眠りました😪


本は、睡眠の仕組みや、睡眠薬の薬理作用、を説明した部分が長いけれど、文も軽妙だし、内容もこなれていて分かりやすく、あまり前知識がなくても、要旨は分かると思うし、あまり分からなくても、なにを試してみればいいかは分かり、効果は得られるかなと思います。


あ、ひとつ、いま、大切なことに気づきました。


睡眠については、これまでも記事にしている、PTSDの養生と同じで、対象に対して自分が無力、ではない、自分の工夫でどうにか改善できる!・・と思えるようになるだけでも、大きな前進だと、思いました。


☆★☆★☆★☆★☆


別の本。

過去に記事にしたつもりで、それを探したのですが、見つからない。。書いてなかったのかなぁ。。


この本こそ、厚くて細密で学術的でややこしく、読んでいるうちに眠くなり(いいかも?)、読了するまで日がかかったけれど、「睡眠」と「夢」について、とくにその役割について、理解と把握がとってもすっきりとできました。


そして、中におまけのように書かれていた、夢を変える手段が・・実践してみたところ、長年にわたりしばしば見ていた「悪夢」の内容が変わり、おそらくそれがPTSDの治癒にも、重要な一歩となりました。


とりあえず本だけ紹介しておきます。


「夢を見るとき脳は――睡眠と夢の謎に迫る科学」(アントニオ・ザドラ、ロバート・スティックゴールド)


養生の手段というのか分野というのか地平というのか、を拡げた、わたしにとっては病の、養生の、転換点、限界突破、の一助となった本です。


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(今日のメインの記事の本。病、養生、薬、そして医療とは、医師とは、、についてまで連想が及び、考えが深まる、、おそらくそうした狙いもあって書かれたのであろう本でした)



(サブ記事の本。長いので覚悟して読んでください。そして眠くなってください〜。直接いじることはできないと諦めていた、夢の内容の好転を得られた、感謝の本です。……あ、はじめの医師に、繰り返し見る悪夢について相談したら、「夢の内容まで責任もてないっ」と嘲り笑い飛ばされたことを、十数年ぶりで思い出しました。。)


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