2021年8月22日日曜日

プチうつの中で読んだ『コーピングのやさしい教科書』(伊藤絵美さん、公認心理士)


ここ数日、ひと月ぶりのプチうつにいました。

そんな中、まさにプチうつから脱出するためのヒントが満載らしい本を、たまたま読みかけていたことを思い出しまして。

やや浮上してきた中で続きを読んでみました。


『コーピングのやさしい教科書』


著者は「伊藤絵美」さん。

知らなかったので(いま)検索してみました。

大学・大学院ともに慶應大学卒の社会学博士で、臨床心理士・公認心理士・精神保健福祉士の資格を持ち、専門家が大勢所属する心理サービスの大きな事業所の代表で、論文から一般書までたくさんの著書がある。


はなやか〜✨✨✨


「コーピング」と言う用語は神田橋條治医師の著書(とくに口述筆記のもの)のそこここで目にはしていました。自分なりの理解では、「状況に適応するための(当事者による)工夫」ですかね。


いずれも心理学的な手法である、「認知行動療法」と「コーピング」と「マインドフルネス」と「スキーマ療法」(PTSD対策)から、一人で手軽にやれる方法を集めてワークブックにしたような内容でした。


以下、(ふふ〜んレベルの)実践をしてみての感想です。


知行動療法」は、わたしが見聞きしてきたものは、「点数をつける」がつきまとい、それが嫌で食わず嫌いでいました。焦点化が細かく、やってみると発見もあって面白かったです。


ーピング」は、それとあまり認識せずにやってきたたくさんの工夫を振り返る、いい機会になりました。それらをコーピングの一つと意識したことで、この先またダウンした時も、思い出してやってみたり、元気なときに種類を増やしたり、していけそうです。


インドフルネス」は、いくつかの本を読み、実践もしてきましたが、習慣として定着してはいないです。読んだあと、散歩をする中で、意識して実践してみました。雨上がりの公園の、鳥や虫や蛙の鳴き声。自分や他人の足音。猫や水鳥の姿とその模様。木々それぞれにある匂い。肌にまとわりつく蒸した空気。・・・ふだんは自覚のない「五感」の多彩な感覚。自分が普段いかに「今」に留まっていないかと、世界は常に豊さな体感(実存?)に溢れていることを、実感しました。


キーマ療法」の名称は初めて知りました。わたしはPTSDのセルフケアは「タッピング」(過去記事の一つはこちらで対応しています。それでかなり、過去の出来事に由来する現在に作用しているブレーキは解除されてはきましたが、別の角度からのアプローチ、中でも、自分でできる手軽な(お金がかからず時間もわずかで済む)方法が増えるのは、ありがたいです。やってみた感じでは、「インナーチャイルド」や「USPT」などの用語と親和しそうな、、、なんていうんだろう、、「催眠療法」「エネルギー療法」「プレイセラピー」の一つなのかな〜。アートと距離が近くて楽しいですね。


ということで、、、

雑にですが通読し、なんとな〜くですが実践した、思うままの感想でした〜


えっと、、ネガを表出することをこのところの自分のテーマとしているので、あえてそっちの点も一つ。

終盤で、この本を人に勧めるよう再三示唆していることに、少し気が重くなりました。わたしもそうですが、コーピングについて学ばねばならないような、今流に言えば「繊細さん」たちは、教えを素直に受け入れ、教えてくれた著者に感謝する、を基本としている気がし、そうした対象の著者さんにそれを書かれると、恩のある人から直接頼まれたような、守らないといけない義理があるような、つまりはストレスとして、残るように感じました。・・てことで学んだばかりのコーピングが役立つのか!?・・まさかそれを見越しての示唆だったか!?


良著でした⭐️(⇦本心だけど、気が弱いので批判のフォローをしている面も。。あ、これもコーピングだにゃ🐱)


(後記)記事を書いた日にたまたま観た映画、ディズニーの『アナと雪の女王』は、まさにこの「ネガの表出」が、ひとつの大きなテーマのように感じました。本書も本映画もそうですが、色々なことって、偶然でありつつもタイムリーに、自分の人生に現れるなぁと、改めて思いました。

***

下に貼った商品リンクの画像の、帯の文、読みづらいかと思いましたので別記しておきます。

「自分にあったストレス対処法がきっと見つかる!」

「5つのレッスンでやさしく学べる自分で助ける(セルフケア)コーピングの技術」

「あなたも誰かにすすめたくなる」



2021年8月1日日曜日

双極性障害(双極症)と旅と疲れと「気分屋的に生きれば・・」(by神田橋医師)と

 息子の住む関西へ、かみさんと出かけてきました。


若い頃は、国内旅行の経験すらほとんどなかったのにいきなりユーラシア大陸一周一人旅に出るなど、向こう見ずな行動も目立ちましたが、次第に健康を害する危険性のあることを非常に恐れるようになり、中でも原発事故をきかっけに、かなりの怖がりになりました。


なので、コロナの感染が広まり、社会全体が軽いパニックとも言える状況になってくると、自分もますますヤバくなるかと思いましたが、それほどでもなく。。世間の人々の言動が以前からの自分のそれと似てきたのを見て、かえって、わりと穏やかに暮らせていました。


でも、さすがに、わたしの住む田舎町に比べて感染する危険性が高そうなエリアに、今でなくともいい旅をする気に、わたしがなるかと思っていたのですが・・・


なぜか流れがスムースにそちらへ進み、実現に至りました。


神田橋條治医師は、「双極性障害になる人は窮屈が苦手」とよくおっしゃっていますが、下は、旅立ちへと背中を押してくれた友だちたちの一人がくれたメッセージの、自分なりの変形。


「出かけてコロナで死ぬか、家に籠もって双極性障害の再発で死ぬか」


うーん。。。

まあ、言葉としては(この病のわたしらしく)極端なのですが、ニュアンスは伝わりますよね🐼


このイメージを得たのをきっかけに、似た危険なら楽しい方を取ろうと、「行こう」に舵を切りました。



たくさんの精神科医に会ってきて、たくさんの同病の方の言葉を聞いたり見たりしてきましたが、医師も当事者も、病の中で大きなことをすることを、諫める傾向があると思います。


中でも、休職中に旅をするなんて、もってのほかという意見が多数でしょう。


しかし、初発の経過の中で出会った(イニシャルでなく、Aから順番にアルファベットを振った時の)E医師は、双極性障害の人の養生の、神田橋條治医師の独特な考え方、


「気分屋的に生きれば、気分は安定する」


に倣い、休職中のわたしに家族と遠方まで旅をする計画が生じた時に、迷うわたしの背中を押してくれました。結果、それが一つの大きな転機となり、長かった病は快方へと向かいました。


今思うと面白い(これはこれで書きたいことが別に膨らみますが)ことに、入院をきっかけに通い続けていた病院の直近の主治医に放り出され、E医師に戻ってから、旅の計画が持ち上がり、再び背中を押される(思い返すと今回は、言葉でではなく態度で、でした)中で、行ってきました。


そしてやはり、この旅も、快方に向かいつつも停滞していた、病を、暮らしを、開くひと竿になったであろう気が、しています。



しかし。。それはそれとして。。


旅、疲れました!


いや、旅の前から、疲れが募っており、オフにするととりあえず大きく落ちることは分かっていたため、あらかじめ一週間休んで旅に臨んだし、旅先でも、自分はすぐに疲れてしまうだろうから体調を優先してかみさんと息子とが元気に遊びまわっていても宿でのんびりしていようと思っていたのに、日に日に元気になって、ほぼ全ての時間を二人と遊び回れたのですが・・


帰宅して、日が経つにつれて、疲れが滲み出てきました。


そこで改めて自分の、あるいは双極性障害になっている人に共通とも聞く、「疲れの自覚が薄い」という傾向を、思い出しました。


確かに、たいして疲れているとも思わないまま(疲れているとは思ったけれど、気力で乗り越えられる程度と思っていた)、この病に突入したし、その後も繰り返し、疲れを感じたら休もうと思いながら、まだ大丈夫、まだ大丈夫、で急にダウン、が多いもんな〜。。


改めて、神田橋條治医師の、双極タイプの人の養生についての箴言、


「気分屋的に生きれば、気分は安定する」


あの日、旅したいと感じたからして、帰ってからの日々、眠いから寝ている。


思えばアップしてダウンしたこの日々、バルプロ酸は100mg/dayのままで過ごせています。


初発の中で遠くへ旅した十数年前と同じことに「できた!」と喜んでいますが、今の方が少しは、自分の特性との付き合い方が上手くなっているのかなと、書いていたら思えてきました。


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