2020年10月26日月曜日

「鬼滅の刃」と自殺


 テレビアニメに続き映画が大ヒットしている「鬼滅の刃」


鬼に襲われ、鬼になってしまった妹を、人に戻す方法を求めて、妹想いの主人公「炭治郎(たんじろう)」が鬼と対決つつ成長してゆくストーリー。


原作であるコミックを数冊読み、テレビアニメを数回分観ましたが、面白いです。


でも、、、


世間で絶賛の声ばかり聞こえる中、引っかかった点が。。


が、単純な悪なる存在としてではなく、かつて人として産まれ育ってきた中で、不本意ながら得た、数々の悲しみや憎しみを今もうちに抱え、鬼となった今は死ぬこともできず、仕方なく鬼として人を襲って生きている、切ない存在として描かれていること、そして他の人々は嫌うだけのの、そんなやるせない背景を察し、対決して殺すも、死際に寄り添い、成仏を願う炭治郎の優しさが、作品の大きな特徴なのですが・・・


死がね。生きとしいけるものが苦しみから解き放たれる入り口として、、、悲しくも美しく、、、描かれている感じなのですよね〜


現実として死の一面はそーかもしれない。でも、かつて自殺企図に追い込まれた自分の心境を省みるに、死にたくなるほどに苦しい人が、その解決を死に求めると言う、多くの自殺企図者に共通するであろう論理の正当性、、を、、肯定していないかな〜。


つまり、自殺したい思いを抱えた人を行動に駆り立てるきっかけ、流れに差す竿、になっているのでは、と思ったのです。


まあでも、芸術って、文学って、そーいう面もあるよね、、、とスルーしようとしたら、かみさんが、「賛美一色の中、そーいう感想こそブログに書きなよ」と言ってくれて。

前の「あ、ひらおよぎ」のような、病の情報・前向きブログをイメージしていたけど、どうもそれだと更新されない(飽きたのかな)ままのココに、こうした感想を載せるのもいいかなと思いました。


だからこの作品はダメだとかケシカランとか言うのではありません。ストーリーも美術も、良くできた、面白い、作品です🎬🎥🎴



2020年10月11日日曜日

坂口恭平『自分の薬を作る』刺激的でためになる本でした。

 双極2型障害で、神田橋條治先生の治療も受けたことのある作家さん、坂口恭平さん。

以前から名前は知っており、ブログや雑誌の記事を読んだことはありましたが、今回初めて、著書を一冊読みました。

『自分の薬を作る』

タイトルからして、いいですね。

双極性障害のため長く薬を飲んできたけれど、日々の習慣を、自分にあったものに変えてゆくことで、薬からも医療からも卒業した、という流れの延長で作られた本でした。

神田橋先生がかねてから言っている、躁うつの人は「窮屈が苦手」ということを、そしてバルプロ酸が効く人は「工夫」して「結果」を得ることが養生になるということを、まるまる生活に生かしたらこーなる、という、見本のような、内容であり、企画でした。

面白かったです。

私も、少しは工夫していたつもりだけど、ここまで徹底してやったら、違う世界が見えてくるかな〜

まあでも、自分は自分、それこそが、薬。。

良い本は、人生の流れを妨げていた、見えない岩のようなものに、気づくきっかけになりますね。



「今すぐ使える 誰でもつかえる  フラッシュバック対処と予防: アメリカ発 トラウマのプロが教えるフラッシュバックのすべて」

本の紹介です。 アマゾンへのリンクになっています。 ブログを書くのが久しぶりすぎて、画像がうまく貼れません。。 「 今すぐ使える 誰でもつかえる  フラッシュバック対処と予防: アメリカ発 トラウマのプロが教えるフラッシュバックのすべて 」(服部信子) 著者の服部さんは、異業種か...