2022年9月30日金曜日

症状のありがたさ・・双極性障害(双極症)の、うつ状態も、軽躁状態も

 

(ふたつ前の記事でも触れましたが)先日の受診で医師から、病気や、それによって勤めを辞めたことや、発病の遠因であろう育った家庭の環境などについて、プラスの面からばかり捉えなくてもいいのではないかと指摘されました。


おそらく、自分も含めて、自ら望んだのではない苦痛の日々を歩まざるを得ない人たちは、誰のせいにもできない、あるいは誰かのせいにしても報われない、困難を、受け入れられないことでよけいに苦しむ年月を経て、状況への見方の角度を変えることで、少しずつ、受け入れる、、という道を、歩むことが多いのだろうと思います。


その一つの角度が、「良い面を探す」ということ。例えば「病気になったおかげで嫌だった仕事を辞めることにやっと家族の同意を得られた」とか、「苦しみに向き合えたことで生い立ちにあったいわれなき被害に気づけた」とか、、、みなさんもあるかと思います。


わたしもそうやって、プラスの面を考え、納得感を得ることで、苦境を生きざるを得なくなっている自分をなだめてきたのだろうと思います。そして医師が指摘したのは、元は闇ばかり見つめていた自分が、次は明るい面を探して見るようになった、そしてその次は、闇も明るみも、全体を見ると世界が広くなるよね、あるいは評価を外してそのままを見られると地平が広がるよね、・・ということだと思いました。


神田橋條治医師の著書だったと思いますが、精神療法面接について精神分析の視点から書いた部分にあった内容に、面接を重ねる中で患者が語らないことはなにか、に(言葉に出さず、と思いましたが)留意する、というものがありました。なにを語ったか、ではない、なにを語っていないか。振り返るとわたしは、精神科診療室という、この世の中でいちばん安全であるはずの(実際はおうおうにして真逆であったりしますが)箱の中でも、誰彼や、出来事への、非難や苦々しい思いを、苦訴を、、、このところずっと、吐き出さずにいたように思いました。


(追記・・吐き出してはいたけれど、プラスもマイナスも、対象と評価とを、医師が喜んでくれそうな組み合わせを無自覚に選んで、表明していた気がします)


と、、タイトルと真逆のような話から入りましたが。


ここ数日、久しぶりに寝込んでいました。

そしてやっと、自分がとても疲れていたことを認識し、それが命を落とすほどに溜まる前に、ブレーカーを落とすかのように心身を休ませる、「うつ」という症状のありがたさを、改めて思ったのです。


そこまではこれまでも繰り返しありました。症状が自分を「休ませる」、とか、自分になにかを「気づかせる」とか。そのことに感謝を覚えてはいました。


でも今回は、なんだか、うつへの愛おしさ、さらには双極2型障害という病への愛おしさを、うっすらとですが、感じたのです。


話しは回って、その新たな感覚を医師に話したことが、上の、「プラスの面ばかり」云々のコメントにつながったのですが、、、


(「軽躁状態」についても書こうと思いましたが、文が長くなるのでやめます)


症状はとても苦しく、嫌なものです。


それを前提に、でも、とてもありがたい、なにかに代えがたい、人生のギフトであったなと、やっぱり思うのです。


そしてそうやって二元論的に捉えるまでは至った次のステージとして、どんな展望が拓けてくるのか。


・・予想では、いわゆる色眼鏡を外した、知識や解釈を得る前に戻った、幼ない子どものような感覚でも暮らせる日々が、、、、まあきっと、体験することでしか分からない世界なのでしょうね。


なんとなくそれは、リラックスして出来事を楽しめる、今までより、今より、楽な世界になるのかなと、、、想像しておきます。


2022年9月29日木曜日

わたしのバルプロ酸の使い方・・そして『[新版]精神科治療の覚書』(中井久夫)


自分はいま、バルプロ酸ナトリウム100mgSR錠(徐放性製剤。コーティングに守られたまま胃を通過してから腸の中でゆっくり溶ける)を、夜に1錠飲むのを基本の服薬パターンとしています。


そして不調を感じたときは、硬いそれをキッチンバサミで細かく割って、けし粒くらいの大きさにしたものを1粒、頓服しています。(そうしている背景は、こちらの過去記事をご覧ください)


割ったそれは、飲むと二十分ほどで頭の中の言葉の迫力が鎮まり、眠気も出て、なかなかよろしいのですが、、、効き目が出るのも消えるのも速く、普段からある耳鳴りが強くなったり、不調が深いときは追加で飲んでいるうちに胃が荒れてしまうなどの、不都合も生じます。


おとといから頓服を繰り返していましたが、今朝はけし粒では足りなく感じた上に、昨日に続いてゆっくり眠りたかったので、久しぶりに、1錠をそのまま、追加で飲んでみました。


結果は、、、期待していた眠りの時間は、それほど長く保てなかったけれど(昨日終日眠ってましたしね)、なんとなくぼんやり、の感じが、長く続いていて、いい感じです〜


ちょっと少ない量の頓服、という、バルプロ酸の使い方としては特殊な、自分で考え出した小技に、こだわり過ぎていたかな〜


いま読んでいる、中井久夫先生の本に、精神科における「服薬」(とその指導)という行為に関する治療的な側面からの注意が、かなりのページ数を割いて書かれていました。自分がこれまで受けてきたいろいろな先生の、服薬(させる)行為について、納得も、不満も、安心も、不安も、そうなる背景がきちんと言葉で説明されていました。


こうした、仕事をする上での基本ともいえる事柄が、成書としてとうに出版されている業界なのに、思い込みで治療をし、治せないどころか悪化させておきながら、国が決めた料金を請求することの特権性すら感じていない医者がいることに、、、


まあそういう人のほうが多いのは、きっとどの業界でも同じですよね。そして自分も立場は違えども、そういう面もありますね。



1982年に出版された本の、2014年発刊の新版です。

中井久夫医師の文も神田橋條治医師の文も温かみを強く感じますが、そのタイプは違ます。


2022年9月28日水曜日

気ままに気楽に・・

 

ひと月ぶりの更新です。



今日は終日寝ていました。

思い返すと、二月くらいからの、受身的にも能動的にも大波小波を越えてきた疲れが、脳を含む身体に、たっぷり溜まっていたように感じます。


疲れを感じること。

感じて休むこと。

それらが苦手というのは、双極タイプの人(脳の過労が双極性障害として現れる人)たちの特徴の一つだろうと思います。ダウンして、初めて寝込んで、でも少しも休まっている気がせず、ぐるぐるした思いが高速で巡る中で、「もうこのままずっと治らない、楽にならない」と思い、真っ暗になって、、、、、、、

ふと、「あれ? 疲れていたのか〜!」と気づく。


そのパターンは病気になったころも今もおおむね同じです。でも、落ちてから浮かび上がるまでの期間が、当初は年単位だったのが、このごろは日単位、短い時は数時間、、て感じになっているのが、進歩です。



さてタイトルにした「気ままに気楽に」ですが、これは病気や養生のことではなく、このブログについて思ったこと。


昨日の通院でクリニックの先生に、病気になったことやそれに関連もする色々がうまくいかなかった過去について、「「良い体験だった」との見方、ばかりしなくてもいいのでは」という指摘を受けました。


このブログでも、以前のブログ『あ、ひらおよぎ』でも、たとえ苦しさを吐露した記事においても、結論としては「病気は良い体験」とか、「症状はありがたい」とかの、ネガティブを良い面から捉え直す視点を、主に書いてきた気がします。


でもそれは、暮らしの中にいろいろな喜怒哀楽がある、当たり前の人生を生きている人が、SNSではハッピーな部分を切り取って、写真や記事をアップしているのと、同じだなと思ったのです。


あるいは逆に、病のブログだと、辛い思いばかりを切り取って書いていたり。


それがダメとか、そういうSNSや発信者がきらい、ということではぜんぜんありません。でも自分はそろそろ、そうではない、もっとフラットな、、、いや、、、脚「色」のない、ものを、書いてみようかなと、思ったのです。


ってぜんぜん「気ままに気楽に」ではない記事になりつつありますが(汗)


もともと『あ、ひらおよぎ』とは違った、内容に統一感のない、無責任な『遠鳴き』を書き散らそうと思って始めたこのブログ。その出発点に戻る、というのかな。


まあなんか、今はそんな気分です。

また気が変わったら、別の流れになろうかと思います🐱


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