2021年3月27日土曜日

物語を信じる。物語の力を信じる。精神療法面接でも・・

 

このところ不思議なほどにしばしば、かつ力強く、「見えざる力が流れを良き方へと方向づけてくれた」と感じる出来事が続いています。


双極性障害(わたしは双極2型障害。1型障害と合わせて「双極症」と名を変えるという話も。名称について思うところありますが、それはまた後日)の初発のおり、悪化から平癒への転機となったのは、通院先を変えたことです。その前後の「治せなかった医師」と「治せる医師」の主たる違いの一つが、「物語」を信じているか否か、でした。


物語」。見えないストーリー、見えない意思、見えない力、と言ってもいい。


数回前の記事に書いた、このたび離れることになった医師も、物語を信じない人でした。「起きていることは全て偶然だと私は信じてます」。そう言ったときの表情が、三年ほどに渡り断続的に会ってきた中で、もっとも本心を言ってる感のある、、なんていうか、、、意地悪そう、、というのも違うけど、、、そんな顔でした。あの日、診察室でその表情を見ながら、わたしは、この先生ではわたしを、患者を、治せないだろうなと思いました。


精神科の治療で使える(西洋医学の範疇の)道具の双頭は、精神療法面接、であろうと思います。そのうちの後者は、物語というもの(ならびにその力)を「ある」と仮定していないと、機能しないと思ったのです。


振り返ると、その医師とわたしとの間に拡がっていった溝は、「物語」を境として、「信じない」ことこそ安全という医師と、「信じる」ことでこそ人生の展開もありうると感じるわたしの、綱引きだったのかもしれません。・・・いやちょっと、記事の流れに引き寄せて現実を解釈しすぎているかな。。


精神科の諸々の薬と同じく、「物語」の力も強大で、人生を良い方へも悪い方へも大きく動かします。だからこそ、それら両者を扱う精神科医は、医師免許の取得が課せられ、のみならず、専門医としての資格も求められる。だからこそ両者とも、保険診療の対象として、意義あるものと評価もされ、使い方の監督もされている。


わたしには、初発時の治癒体験が強烈なプラスの印象を作り、そのご、特定の物語を信じすぎ、再発へと繋がった、という面があります。加藤忠史先生だったでしょうか、再発について、初発よりずっと人生への悪影響(中でも社会的なそれ)が強いと指摘していましたが、人生にとってどうだったかはともかく、初発時の大変さが軽いものと思えてしまうほど、ひどい症状を体験しました。


でも、だからといって、「物語」自体が悪い道具なわけではない。鋭利な刃物は刺身も美味しく挽けるが、間違えればあっさりと指も落とせる。


物語を信じ、自らのために慎重に使い、また他者のために、良き道具となりうる物語を、書いていきたいと思います。


(👇幾たびもの断捨離をかいくぐり、本棚に居ます)




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