双極性障害を中心とする自身の不調をどうにかしたいと情報を得る年月のなか、世間で「発達障害」は次第に大きなトピックとして半ば「はやり」のように扱われていたのは知っており、現代を生きる自分もきっと当事者としてのヒントを得られるだろうと、それなりには学んできてもいたのですが、、、精神科領域の他の病と異なり、学ぶほどに実態が見えなくなってゆく、よー分からない一分野として、理解を諦めてしまっていました。
そんななかで先日読んだのがこれ。
『教えて 発達障害・発達凸凹のこと』杉山登志郎、白柳直子
著者のひとり「杉山」さんの単著を読んだ覚えはないですが、子ども(〜青年)を専門に診る数少ない精神科医の筆頭として、あちこちの本でその論や技術は垣間見ていました。
いっぽう「白柳」さんは整体師で、けがが元でできた(筋肉の)「癒着」を剥がすことで体の動きを本来のバランスに戻すという、思想と方法をセットで開発し、独自な治療を実践されています。神田橋條治医師との共著が数冊あり、わたしも神田橋医師との繋がりから知りました。
で、この本。
うっすい本で、役所の関連する窓口に「ご自由にお持ち帰りください」と積まれている姿を想像してもあながち的外れでない印象で、期待せず読み出したのですが、、、
一般の当事者やその関係者が読んで分かる手頃な本がないというのが発端で白柳さんが杉山さんに提案して実現した本とのこと、、、面白く一気に読み終え、、、分かる、とか、易しい、というのは、内容や記述やレイアウトの外見的な馴染みやすさだけではない、それ以上に、どこまで本質を掴めているか、それを想定される読者のために過不足なく表現しているか、によるのだということを、改めて教わるものでした。
要旨と特徴ですが、「発達障害」として一緒くたに扱われている状態を、
・「発達障害」
・「発達凸凹」(杉山さん造語)
・「トラウマ系発達障害」(白柳さん造語)
に分け、それぞれの特徴と対処を開示しています。
それだけかい! と思われるかもですが、それが分かっていることで、「発達障害」と雑にくくられて発信されているたくさんの情報の理解や、それを自分の人生に活かすときの選択が、かくだんに容易になりました。
☆★余談ながら・・★☆
今夜(2022/6/4のドラマ。「フジテレビ」のサイトへ)
『僕の大好きな妻!』・・発達障害の話。今夜スタートですね〜
☆★余禄でした・・★☆
上の本を読み、以前読んで、こちらはぜんぜん簡単でなくちんぷんかんぷんだった、
『心と身体といのちのこと』(神田橋條治医師と白柳直子整体師の対話)
を本棚の奥からひっぱりだし、再読したのですが、、、、びっくり。。これまで山ほど本を読んでなお分からなかった、精神科の病気とその治療の全体像が、これも初めて理解でき、整理されました。
双極性障害について、当事者や家族の方が読んで、理解できて、役に立つ、本を書きたいとずっと思っていましたが、今まで企画が定まらずにいた理由が分かりました。・・双極性障害の本質を、そして双極性障害を発症する、こじれる、長引かせる、原因の種類と特徴を、自分ですっきりとは分かっていなかったのですね。
これでやっと、構想に着手できる段階に入れたと思いました。
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